あの名作の読みどころを大紹介!! 各種企画ページも充実!!

ファンなら誰だって大好きなマンガ家さんのデビュー作を読みたい。それなのに、マンガ家のデビュー作やデビュー単行本は、タイトルは知っていても読んだことはない、って作品がほとんど。古本市場に出ても、とてもじゃないけど買えるような金額じゃない。悔しいから、そんなの読みたくないや(涙)ってね。ところが近頃じゃあ、ありがたいことに<完全復刻版>という形で比較的手軽に読めるのだ。読んでやろうじゃん、幻のデビュー作。復刻版で読める幻のデビュー作・デビュー単行本をどーんと紹介しよう!

UTOPIA 最後の世界大戦
■著者:藤子・F・不二雄/藤子不二雄Ⓐ
■初出:昭和28年 8月10日/(株)鶴書房
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宇宙作戦第一号
■著者:松本零士
■初出:昭和33年 6月10日/昌和漫画出版社
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ロケットマン
■著者:水木しげる
■初出:昭和33年 2月25日/(株)兎月書房
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こがらし剣士
■著者:白土三平
■初出:昭和32年 8月5日/巴出版(株)
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別世界・幽霊を呼ぶ少女
■著者:楳図かずお
■初出:昭和30年 9月5日/(株)トモブック社
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[嵐をこえて][嵐の波止場]
■著者:赤塚不二夫
■初出:昭和31年 6月7日/曙出版(株)
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白黒物語〔完全版〕
■著者:寺田ヒロオ
■初出:昭和30年 4月号〜10月号/『漫画少年』学童社
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完全復刻版 新寶島
■著者:手塚治虫
■初出:昭和22年1月30日/育英出版(株)
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■どんな巨匠にだって最初の一歩は必ずある。本人にとって、この一作でプロのマンガ家になれた、という喜びは無上のものだろう。ファンはなんとかしてその作品を読みたい。それなのに、巨匠になればなるほどデビュー作を読むのは難しいのが現実だ。

■デビュー作やデビュー単行本は、その後に描かれた代表作に比べて、荒削りで、未完成であることがほとんど。新人に対する出版社の扱いもあまり良いとは言えず、マンガ家にとっては不本意な本になっていることも少なくない。そのため「若描きを見られたくない」とデビュー作やデビュー単行本の再録には消極的なマンガ家が多いのだ。中には、再録に当たってデビュー作をすべて描き直してしまった、という大御所もいた。

■しかし、デビュー作の荒削りさの中には、そのマンガ家が持っているいくつもの資質が原石のまま現れていて、その後の作品で開花していくさまざまな要素を確認することができる。そのマンガ家が何を表現しようとし、どんなものを描こうとしたのか、はデビュー作やデビュー単行本を読めば分かる、と言っていいだろう。しかも、若さがあふれた作品はそれだけで読む者の心を打つ。そんなすばらしい作品が長い間「幻の作品」になっていた。これは「世界のマンガ大国」とまで言われる日本にとっては寂しいことだ、と思う。

■マンガ家がスタートラインで見せた若さと荒削りさの中から原石を見つけ出す楽しみ、「なるほど、これがすべてのはじまりなのだ」と気づく瞬間の喜びを私たちに与えてくれるのが「復刻マンガ」だ。原本を忠実に再現した装丁からは、その当時の出版事情を知ることもできる。

■今回は、復刻マンガの小学館クリエイティブとマンガショップシリーズ(パンローリング)の豊富なラインナップの中から、デビュー作、デビュー単行本にスポットを当てて、その魅力をご紹介したいと思う。みなさんが本を手に取るきっかけになり、巨匠たちが最初の一歩を踏み出した瞬間を追体験する喜びを味わっていただければ幸いである。
(中野晴行・マンガ研究家)